色素沈着の色の変化を見るための、日焼け止めと写真の記録法

根拠の内訳:出典 6件大規模・体系的な研究 3件小規模・観察研究 1件学会・公的機関 2件確認 次回確認 出典を見る根拠の基準

色素沈着の色は数か月かけて変わるので、日焼け止めを塗り直しながら、毎月同じ条件の写真で比べていきます。

バスが通り過ぎる停留所で、黒いジャンパー姿の男性が頬骨の上の白いクリームを指で広げている様子
このノートで扱うこと全7項目
  1. 跡の色が落ち着いていくかは、いつから判断できる?
  2. 日焼け止めはどのくらい、1日に何回塗る?
  3. つぶしたあとの跡が何か月も残るのは、なぜ?
  4. 跡と新しいニキビが同時にあるとき、何を中心にする?
  5. 1か月ごとの写真・日焼け止めの記録表
  6. 皮膚科医に診てもらうきっかけは?
  7. この記事のもとになった資料
項目 内容 出典
塗る量 SPFは1cm²あたり2mgを塗って測ります。実際はその1/4〜1/3しか塗らないことが多く、紫外線をさえぎる効果も1/4ほどに下がります 大韓皮膚科学会 日焼け止め · 学会
塗り直しの間隔 屋外に出る20〜30分前に塗り、2〜3時間ごとに塗り直します。ふだんの生活ではSPF15程度、屋外ではSPF30以上をすすめています 大韓皮膚科学会 日焼け止め · 学会
判断の時期 肝斑は最低2か月たってから反応が見え、6か月以上が必要です 大韓皮膚科学会 肝斑 · 学会
比べる間隔 ニキビのあとの色素沈着の患者2群(60人・63人)の試験は、12週と24週で結果が違いました 2024 PMID 38685118 · A
記録する行動 日光にあたりすぎること、つぶしたりかいたりすることがリスク要因に挙がりました 2021 PMID 34880967 · B

表の出典は、韓国の皮膚科専門医の学会である大韓皮膚科学会です。SPFの目安も韓国での案内です。

跡の色が落ち着いていくかは、いつから判断できる?

1〜2週間で判断せず、少なくとも2か月たってから、1か月おきに撮った写真を比べる必要があります。大韓皮膚科学会は、肝斑は最低2か月たってから反応が見え、6か月以上のケア期間が必要だと案内しています。

時期によって結論がひっくり返ることもあります。ニキビのあとの色素沈着がある13〜35歳の患者を2群(60人・63人)に分けて24週間見た2024年のランダム化試験では、全体の重症度の点数は12週に2群の差がはっきりしていましたが、24週には同じくらいになりました。そのため、この記事の記録表は1か月・2か月・3か月・6か月に欄を分けています。

日焼け止めはどのくらい、1日に何回塗る?

思っているよりたっぷり塗り、外に長くいる日は2〜3時間ごとに塗り直します。大韓皮膚科学会によると、SPFは1cm²あたり2mg(全身でおよそ30ml)を塗って測りますが、実際はその1/4〜1/3しか塗らないため、さえぎる効果も1/4ほどにとどまります。

通学の10分と、週末の半日のお出かけでは条件が違います。韓国の同学会は、ふだんの生活ではSPF15程度、屋外の活動ではSPF30以上をすすめ、肝斑の案内ではSPF30以上が望ましいとしています。昼休みの散歩、窓ぎわの席での仕事、運転のように日にあたる時間が長い日は、塗り直した回数を別に印をつけておくと、1か月後の写真と照らし合わせやすくなります。

ピンクのツツジが咲く日ざしいっぱいの並木道を、麦わら帽子と白いシャツ姿で歩く女性
昼休みの散歩のように日ざしの下に長くいる日は、帽子をかぶったか、何回塗り直したかもいっしょに書きます。

つぶしたあとの跡が何か月も残るのは、なぜ?

つぶしたりかいたりすることはニキビのあとの色素沈着を増やす要因として報告されていて、一度残った色は数か月単位で落ち着いていきます。ニキビの患者の資料を集めた2021年の観察研究では、80%以上にニキビのあとの色素沈着が見られ、女性・濃い肌の色・重いニキビ・日光にあたりすぎること・つぶしたりかいたりすることがリスク要因でした。

この研究には濃い肌のタイプの人が多く含まれているので、すべての人に同じ割合をあてはめることはできません。ただ、手でさわった日と日にあたる時間が長かった日を記録表に別に残しておけば、写真で濃くなった場所がどちらと重なるかを確かめられます。

日の入る窓ぎわでほおづえをついて外を見る、ピンクのニット姿の女性の横顔。頬骨のあたりに薄い茶色の点が見える
窓ぎわに長く座った日と、顔に手がのびた日を別に書いておくと、濃くなった場所と照らし合わせられます。

跡と新しいニキビが同時にあるとき、何を中心にする?

洗顔料・保湿剤・日焼け止めの3つを毎日続けることを中心にし、新しいニキビは皮膚科で別にみてもらいます。先ほどの24週の試験では、処方の外用薬を使った群も使わなかった群も、この3つのスキンケアを24週間いっしょに続けていて、参加者はスキンケアが刺激を減らし、ケアを続けるのに役立ったと答えています。

日焼け止めと保湿クリームをいっしょに使った2021年の研究でも、紫外線でできる赤みや色の変化が減ったと報告されています(対象者の数は抄録に書かれていません)。濃い肌のタイプの20人に日焼け止めの完成品を20日塗った2026年の試験では、塗った場所の8日目の色素沈着の点数が、塗らなかった場所より約30〜53%低かったです。どちらも完成品の結果なので、特定の成分1つの働きとは見ません。

1か月ごとの写真・日焼け止めの記録表

時期 写真の条件 日焼け止めを塗った日 / 塗り直した日 帽子・日傘を使った日 つぶしたり、はがしたりした日 新しいニキビの数 跡の色の比較
開始日 例)朝9時・リビングの窓ぎわ・腕をのばした距離 — — — 個 基準の写真
1か月 開始日と同じ 日 / 日 日 日 個 濃くなった・同じくらい・落ち着いた
2か月 開始日と同じ 日 / 日 日 日 個 濃くなった・同じくらい・落ち着いた
3か月 開始日と同じ 日 / 日 日 日 個 濃くなった・同じくらい・落ち着いた
6か月 開始日と同じ 日 / 日 日 日 個 受診が必要かに印

写真はメイクをしていない顔で、スマートフォンのフィルターや補正を切って撮ります。夏休み・運動会・登山のように日にあたる時間が長かった週があれば、その月の欄の横にメモを残します。

もみあげと唇のあいだの頬に、平らで薄い茶色のしみがいくつか見える近接写真
記録の写真はこのくらい近い距離と同じ照明で撮ると、1か月後の色を比べられます。

皮膚科医に診てもらうきっかけは?

  • 6か月のあいだ同じ条件の写真で色が変わらない、またはかえって濃くなったなら、記録表を持って皮膚科に相談してみてください。
  • 跡が広がって大きくなる、または形や境目がいびつなほくろのように見えるなら、皮膚科で確かめてもらってください。
  • 新しいニキビができ続けて、そのたびに跡が残るなら、皮膚科でニキビのほうから診てもらうほうがよいでしょう。
  • 両頬に広く広がったしみが、妊娠やピルを飲んでいた時期と重なって濃くなったなら、肝斑のこともあるので皮膚科の受診を考えてください。

この記事のもとになった資料

  • 大韓皮膚科学会の日焼け止めの案内によると、SPFは1cm²あたり2mgで測りますが、実際に使う量はその1/4〜1/3なので、日焼け止めはたっぷり塗り、2〜3時間ごとに塗り直す必要があります。
  • ニキビのあとの色素沈着の患者2群(60人・63人)を24週見た2024年の第4相試験(PMID 38685118)では、どちらの群も洗顔料・保湿剤・日焼け止めをいっしょに使っていて、全体の重症度の点数の差がはっきりしていたのは12週だけでした。
  • 濃い肌のタイプの20人を対象にした2026年のランダム化試験(PMID 41240206)で、日焼け止めを塗った場所の8日目の色素沈着の点数は、塗らなかった場所より約30〜53%低かったです。

よくある質問

口のまわりの色素沈着はなぜできて、どうすれば目立たなくなる?

口のまわりだけを調べた研究は、この記事の根拠にはありません。ニキビのあとの色素沈着の患者を分析した2021年の研究は、日光にあたりすぎること、つぶしたりかいたりすること、顔という部位をリスク要因に挙げているので、口もとをさわるくせと、日焼け止めを塗り直していない時間をまず書いてみてください。広く左右対称に広がった茶色いしみなら肝斑のこともあるので、皮膚科で確かめてもらうとよいでしょう。

つぶしたあとの跡が何か月も残るのはなぜ?押し出したあとの色素沈着は一時的?

つぶしたりかいたりすることは、ニキビのあとの色素沈着のリスク要因として報告されています。韓国の大韓皮膚科学会は肝斑の案内で、反応が見えるまで最低2か月かかり、6か月以上が必要だとしているので、色が残る跡も月単位で見るのが合っています。数週間で色が変わらないからと判断を終えず、1か月ごとの写真で比べてください。

ニキビ跡の色素沈着と新しいニキビが同時にあるとき、スキンケアは何を中心にする?

中心は、やさしい洗顔料、保湿剤、日焼け止めの3つを毎日続けることです。ニキビのあとの色素沈着の患者を2群(60人・63人)に分けて24週見た試験でも、どちらの群もこの3つのスキンケアを基本に使っていました。新しいニキビができ続けるなら、そこは皮膚科で別にみてもらうほうが、跡を増やさない近道です。

出典

  1. Korean Dermatological Association — Sunscreens (Korean)機関資料
  2. Korean Dermatological Association — Melasma (Korean)機関資料
  3. 24-week phase 4 trial of a prescription topical plus skin care in post-acne hyperpigmentation, 60 and 63 patients, 2024 (PMID 38685118)A
  4. Risk factors for post-acne hyperpigmentation, 2021 (PMID 34880967)B
  5. Niacinamide-containing sunscreen and post-inflammatory hyperpigmentation, randomized trial in 20 people, 2026 (PMID 41240206)A
  6. Ceramide-containing sunscreen with moisturizing cream and UV-induced skin changes, 2021 (PMID 33852258)A

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